「憲法改正国民投票法」成立を受けて議連を開催【2010年3月16日】

衛藤会長は、」平成19年に成立した「憲法改正国民投票法」は、公布後3年の期間を経て本年5月18日よりその発議が可能となる事に触れました。

安倍内閣で成立した同法は、公布後3年間国会で憲法改正原案の提出及び審査を行うことを凍結していましたが、これは直ちに憲法改正原案の提出及び審査を行うのではなく、まず憲法改正の必要性と必要があるとすればそのテーマや改正についての基本的方向性に関する議論を慎重に行うべきとの考えにより3年の期間を待たなければなりませんでした。その3年を迎えんとしているのです。その機は熟したのです。

私の主張する「一院制」は、憲法42条【両院制】を改正するものです。

一院制でスリム化、スピード化を図り、国家・国民の公益を作り出す場として国会を機能させたいとの思いを強くしています。
自民党も昨年(2009)の衆院総選挙のマニフェストにおいて、党改革実行本部(武部勤衆議院議員)段階では、国会改革において、「一院制国会の創造」を謳い、議員定数の3割削減を提唱しました。

(武部党改革本部長も出席しその祭の熱気に満ちた状況を語りました)この熱い思いが自民党のマニフェストに具体化されると思った矢先に麻生総裁(当時)の判断で記述が見送られたことは残念でなりません。 

5月18日は憲法改正案の審査が可能となる、日本国憲法発布以来初の改正手続法が日の目を見る日でもあります。この重さを胸に秘め議論を活性化していかなければならない、国民運動を展開していかなければならないとの思いを強くするものです。
更には、昨年末「スウェーデン及びフランス議会制度視察」を行いました。この点についても付言させていただき皆様方に『一院制』へのご理解を深めていただきたいと思います。

一院制でスリム化、スピード化を図り、国家・国民の公益を作り出す場として国会を機能させたい
~スウェーデン及びフランス議会制度視察を終え~その思いを強くしました

昨年12月14日から19日にかけて、スウェーデン、フランス議会の視察を行いました。今回の視察は、スウェーデンの「一院制議会」とフランスの「二院制議会」の歴史と現状を調査することが大きな目的がありました。幸いスウェーデン、フランスの議会関係者や有識者から有意義なヒアリングや意見交換を行うことができました。

スウェーデンは1866年から二院制を採用していて、両院の権限は、予算を除いてほぼ対等でした。選出方法と任期が違っていて、第二院は国民が直接選出して任期は4年、一方の第一院は県議会等の議員が間接的に選出する仕組みで、任期は8年で毎年8分の1ずつ改選していました。

両院を合併して一院制にしようという動きは、20世紀初めからあったとのことですが、1968/1969年の憲法の改正で実現し、スウェーデンは1971年から「一院制」になりました。その理由は、20世紀前半に両院の選挙が普通選挙になって両院の構成が同じようになり、二つの院を維持する積極的な理由がなくなってしまったことです。また、権限がほぼ対等でしたから、何度か両院で法案が対立し、立法の停滞が生じたこともあったようです。
二院制の時代と最も大きく変化したのは、一院制になってから5回も政権交代が起きていることです。もう一つの大きな影響は、国会議員の数が全体として約30人減ったことです。また、「一院制」にする際には、選挙制度でも議会の制度でも少数意見を大事にし、政府と議会との抑制と均衡を図る仕組みを採用するよう気を付けたと関係者が口を揃えていたことも印象的でした。現在では二院制に戻そうという動きはほぼないと言ってよいようです。

フランスは、政治制度の実験室とも言われ、数多くの政治体制を経験してきました。現在は二院制ですが、今回の調査で、フランス革命以降3回、「一院制」の時期があったことをパリ第10大学のカルカッソンヌ教授から確認することができました。また、教授によると、第四共和制でも1946年から1954年までの時期は実質的に「一院制」だったと見ることもできるとのことでした。
フランスの上院は地方議会の議員等による間接選挙で、任期6年で3年ごとに半数改選、下院は直接選挙で任期5年です。フランスの二院制は、上院の権限が比較的弱く、普通の法案は、上院が否決や修正をするとまず両院を往復し、それでもまとまらないと両院協議会にかかります。そこでも成案ができないと、政府が下院に最終議決を求めることができます。教授によると、二院制は両院の権限が対等であるとうまく機能せず、フランスは意図的に不対等な二院制にして成功しているとのことでした。

両国とも国民の政治的意見の潮流を反映する政権を樹立し、その政策を実行に移す仕組みを軸にしていますが、一方で法案審査や行政監視などの面で議会の委員会制度等を活用し、政府の説明責任を確保するといった適切な抑制と均衡の仕組みを併せて用いているということがわかりました。

世界の国会では、115カ国が「一院制」、65カ国が「二院制」を採用しています。わが国は、廃墟の中から再生し、高度経済成長を経て、低成長、バブルの崩壊を経験し、現在、少子高齢化の中で停滞しています。経済が成熟期に入る中で、日本は成長時代のように二院制のままでいいのかが問われています。
私は、経済成長率と国会のあり方に何らかの関係があるのではないか、成熟した社会では「一院制」がいいのではないか、と思っています。2000年から2008年にかけての日本の経済成長率は1.5%のところ、スウェーデンは2.7%です。また、日本は消費税率5%で法人税率40.69%、スウェーデンは消費税率25%で法人税率26%です。これらの数字は、スウェーデンが「一院制」で素晴らしい国づくりをしている証拠だと思います。

国家、国民の公益を作り出す場としての国会を機能させるため、わが国も「一院制」を採用し、スリム化、スピード化を目指していくべきだと思います。

衛藤会長は、武部党改革実行本部長の出席も得て一院制に対する思いを熱く語りました。

衆議院ホームページ
参議院ホームページ
内閣法制局ホームページ