第一交通産業会長 黒土 始さん 中津市ご出身

元気かえ北九州市  第一交通産業会長 黒土 始さん(84)
    「タクシー業界を支えたい」
      中津市出身。1941年に大分高等商業学校(現大分大学経済学部)中退後、
    召集を受け、中国大陸で兵役に服している間に終戦を迎えた。
      復員後、門司港を拠点にして砂糖販売を始めた。「当時は統制経済で物資
    が不足がち。面白いようにもうけた」という。
      それも転機を迎える。52年、砂糖の統制が13年ぶりに撤廃されて自由
    販売になり、砂糖販売の妙味を失ったからだ。
      知人の助言もあって、タクシー業に目を向ける。運輸省(当時)から認可され
    た5台のタクシーで営業を始め、有限会社 「第一交通」 を設立 (60年に株式
    会社)。 朝鮮戦争勃発(ぼっぱつ)で日本景気は上向き、保有台数も20数台
    までに成長する。
      ここで第二の転機に直面する。全国の業界で労使間の対立が激化し、タク
    シー業も例外ではなかった。第一交通産業も激しい組合闘争に見舞われる。
    「一時、事業を投げ出そうと思った」という黒土会長はここで踏ん張った。
    持ち前の“ガンバリズム”で労働問題を猛勉強。この問題のエキスパートになる。
      こうして、革新政党が後押しする組合側とは有利に交渉を進め、最大の危
    機を乗り切った。さらに全国に先駆けて、タクシーに無線機を導入し、タクシー
    経営の効率化を図っていく。
      現在、沖縄から北海道まで展開している直営の営業所や子会社の総保有
    台数は日本一の6576台。不動産、バス運送、自動車販売、介護事業など
    多角経営も進め、グループ内企業は115社に及ぶ。年間総売上高(連結)
    799億円、総従業員11730人本社は北九州市小倉北区馬借。
      二女の夫、田中亮一郎氏に社長を譲り、運営も任せているが、ご当人の
    事業意欲は衰えを見せない。
      「当面の目標は、弊社の東京市場一部上場を実現させ、経営利益100億円
    を達成すること。いま曲がり角にきているタクシー業界を大所高所から見据え、
    わたしの経験を生かしながら助言・提言していきたい」
    04年に発足した北九州大分県人会の顧問も務めている。
    「遠縁になる広瀬知事には大いに期待しているし、現在の大分県はダイハツ
    車体やキャノンの進出で活気がある。観光面でも飛躍してほしい」とエールを
    送る。
この記事は、H18年9月9日の大分合同
新聞に掲載されたものを再編集しました。