新春の抱負~平成24年を迎えて~

【産業政治日報】2012年1月28日号に掲載

国際競争化、少子高齢化、過疎化、円高等の構造的負荷と重圧の下、デフレマインドの渦中で新年を迎えた。今年の一年は北風に向って走り抜く覚悟と決意を持たなければならない。今日ほど我々の日々の生活が国際軸と国家軸の真上にあることを痛感させられたことはない。欧州の金融危機と経済の低迷が日本に深刻な打撃を与え始めている。ギリシャやスペインの国債金利の動向が、健全と思われたフランス等の国債金利を上昇させ、ユーロ経済圏全体に金融危機を引き起こしてしまった。日本の国債残高が対GDP比で200%もあり、欧州のいかなる国よりも突出している。欧州の国々が日本の国家財政に懸念と疑惑を抱かない内に、財政再建を急がなければならない。持続的経済成長とムダを削る行革と財政再建を同時進行形で押し進めなければならない。これら3つの課題の中で一丁目一番地は政治改革であり行政改革である。国会の改革無くして国の発展は無い。国政は真に国会改革から始めなければならない。衆議院と参議院を合併して一つの国会にする。一院制の下、国会議員は30%削減する。不安定、不透明、不確実な国会をスピードと効率の良い絶対的安定で国民の信頼と期待の集まる、活力のあるダイナミックな国会に変革しなければならない。国会を一院制にするには、憲法を改正しなければならない。憲法42条の改革案を提案し、衆参両院の三分の二以上の賛成、そして国民投票で18歳以上の有権者の過半数の賛成を必要とする。待望の憲法改正のための憲法審査会が昨年十一月に始動したことは特筆すべきである。

各党は先の選挙で、国会議員の定数を減らすことを公約している。私は超党派の一院制国会実現議員連盟の会長として、5年後の2016年までに一院制の国会を実施させ、日本再建と日本再興の確かな起動を作り上げたいと思う。これからの5年間に日本の命運がかかっている。国会改革の道筋、その工程表を国民に提示し着実に実行すれば、国と地方の財政再建の目安とロードマップは自ら出来る。国会が、国会議員自らが血を流し、骨を削ずらずして、誰に財政再建の為の消費税等の増税をお願い出来るのか。平成23年度の社会保障関連予算等(年金、医療、介護、福祉、生活保護等)約28兆円の内約40%は国債(借金)で手当てしてある。世界の国々はこれらの予算は全て消費税で手当てされている。日本の消費税率は5%であるが、世界148ヶ国の平均は15%である。5%の消費税総額は約12兆円であるから、仮に世界標準にすると約36兆円となり、約28兆円の社会保障関連予算を上回ることになる。消費税の全てを私達の年金、医療、介護等の福祉に使うべきである。最近の10年間世界の各国は消費税率を段々と引き上げて来た。逆に法人税率を段々と引き下げて来ている。世界の法人税率の平均は約26%である。日本はこの10年間、約40%の法人税率のまま据え置かれている。お隣の韓国は24%、中国は25%であるから、東京からソウルや北京に企業の移転が始まり、結果として日本の産業と雇用の空洞化現象が起こっている。国際競争に打ち勝つ為には、同一条件(イコールフッティング)の企業立地でなければならない。世界の流れに沿うよう世界標準の法人税率26%を目安に戦略的アプローチが必要である。

(念願の病院船建造に向けて)
平成7年1月の阪神淡路大震災直後から、病院船建造を目指して来た。東日本の大震災で病院船の必要性は否応なしに高まり、先般の第3次補正予算で建造に向けた調査費3千万円を計上出来た。私は昨年10月に訪米して、アメリカの病院船の視察見学で災害時における多目的支援船(病院船)を日本が保有する責任と義務を痛感した。国内のみならず国外の支援要請に応えて、人道支援等、国際貢献もすべきである。私は病院船建造推進議員連盟会長として、平成24年度中に設計費を計上し、平成25年~平成26年の2年間で建造、進水させたいと思っている。何としても「海に浮かぶ大学病院」を実現させたい。米国の2隻の病院船はベッドの数が各々1000床(ベッド)であることも敢えて紹介したい。

(夢の日韓海底トンネル実現へ)
さて新年の夢を敢えて語りたいと思う。
日韓海底トンネルは、日韓両国の大統領と総理大臣が国際会議の場で何度も言及したビッグプロジェクトである。日韓間の海底と島を結ぶ約231キロメートルの総事業費約10兆円の世紀の大事業である。米国はアフガン、イラク戦争に100兆円の戦費を投入している。「日韓トンネル・平成のシルクロード」は真に平和創造の道であり、ピースメイキングプロジェクトである。日本から釜山(プサン)に渡り、ソウルを経て平壌(ピョンヤン)を通過し、レール伝いに中国大陸を経てヨーロッパに行きパリを経由して英仏トンネルを経てロンドンに至る。東京―ソウル―パリ―ロンドン総延長約1万5千キロメートル。日韓トンネルを除き、ロンドンまで既にレールは敷かれている。レールの狭軌、広軌の調整はもう一本のレールを付加すれば可能であろう。ヨーロッパ・アジアピーストレインを是非実現させたい。尚、日本側には既に、日韓海底トンネル建設議員連盟の世話人会があり、私が代表世話人に就任している。

平成二十四年 新春
衆議院副議長
衆議院議員
衛藤 征士郎