「日本経済新聞」掲載記事~「一院制」へ超党派共闘~【2003年4月8日】

日本経済新聞(2003年4月8日付)に「一院制」議連の活動が掲載されました。

 国会改革論議のたびに、出ては消えた二院制の見直しが一歩前進しそうだ。衆参両院の議員約100人が5月中旬をメドに超党派の議員連盟を発足させ、一院制の実現に向けた具体的な検討に着手する。憲法改正が必要なだけに「夢のまた夢」との指摘も根強いが、参加者は5-10年以内に実現させる」と意気込んでいる。 

 「国民は国政に信頼とスピードを求めている。一院制と二院制を様々な観点から真剣に検討されることを望む」。昨年11月1日の衆院本会議。在職25年の表彰を受けた自民党の衛藤征士郎氏が壇上からこう訴えると議員席はどよめいた。

 議連発起人代表を務める衛藤氏は1977年の参議院選挙で初当選後、衆院に転じ当選6回。衆参両院での議員経験を踏まえているだけに、永田町では「政界きっての一院制論者」とされる。議連発足に向け、毎週、国会内で勉強会を主宰する。 

 衛藤氏の思いに賛同し、発起人の一人に手を挙げたのが民主党の鳩山由紀夫前代表だ。「首相公選制の議論が憲法改正のきっかけになると思ったが、しぼんでしまった。その時に一院制の話を聞き、これこそよいテーマだと思った」と語る。

 鳩山氏は昨年12月に代表を退き、表舞台から遠ざかってきた。側近は今回の動きを「活動再開の第一歩」と見る。鳩山氏自身も「ようやくじっくり腰を落ち着けて関心のあるテーマに取り組めるようになった」と議連活動に意欲満々だ。 

 一院制論者は参院廃止論とセットで語られることが多く、必ず参院の猛反発を招いた。今回の議連は「衆参両院を統合し、一院制を作る会」と名付け、「あくまでも対等合併」としたことで参院からも与野党問わず参加する。

 民主党の江田五月元科学技術庁長官もその一人。衛藤氏と同様、衆参両院を経験した。裁判官出身だけに「二院制も一院制もどちらも絶対的なものではないが、憲法論議の一環として大いに議論すべきだ」と指摘する。参院改革の必要性にも触れ、「今の参院は無駄が多いと言われても仕方ない」と手厳しい。参院自民党からの参加者では、近藤剛氏が中心的な存在だ。選挙期間中も一院制を訴え、「参院をつぶすために参院議員になるのか」と支持者から言われたほど。商社勤めの経験から「国会のような硬直的な運営を企業がやったら一年ももたない」と力説する。 

 衛藤氏は議連発足後、全国会議員を対象に一院制に関するアンケート調査を実施する。勉強会などを通じて賛同者を増やすと同時に、都道府県議会や全国の商工会議所などにアピール文を送ることも検討している。 

◇ 一院制を巡る最近の主な論議(肩書きは当時)◇
 「世界に二院制の国は多々あるが、流れは一院制だ。両院を通過しないと法律にならないのは難しい環境だ」(1998年7月 小渕恵三外相)
 「一院制議会をつくって首相公選制を導入した方が政治への関心が高まる」(2000年9月 小泉純一郎・森派会長)
 「多様な民意を反映すべきことを思えば、一院制のみではくみ取ることができない要素がある」(2002年8月「首相公選制を考える懇親会」の最終報告書)
 「自民:両院の機能に差をつけるべきだ。民主:両院それぞれ審議することに意義がある。保守:法案成立が遅れるので両院制には賛成できない」(2002年11月 衆院憲法調査会の中間報告書での各党発言)

  20030408日経記事