今こそわが国は国連常任理事国入りを目指し名誉ある地位を得なければならない(2/25)

第二次世界大戦後の昭和20年(1945)10月24日、ニューヨークで国際連合(United Nations)が産声を挙げました。設立に参画した国は当初51カ国、わが国は昭和31年(1956)に80番目の国として国連に加盟の悲願を実現したわけです。


国連の設立の目的は、『世界の平和と安全の維持』です。しかし、国連は自前の軍隊を常備しておらず加盟国の軍隊に頼らざるを得ません。

国連のPKO活動(国連平和維持活動)は、その目的達成のための代表的な平和維持活動ですがその資金は、各国の分担金等で賄われます。

・国連分担金
国連加盟国192カ国の分担金の分担率は、3年に一度見直されており平成22年(2010)〜24年(2012)の分担率は昨年12月に決定され、わが国は平成21年までの3年間毎年負担してきた16,624%の分担率から→12、530%2億6,500万ドルへと引き下げられました。(下記図表:3年間の分担率・額参照)

国連負担金の分担率は、基本的には加盟国の「支払い能力(capacity to pay)」に応じて、一定の算出方法によって行われており、わが国が国連に加盟した昭和31年(1956)には1,97%でしたが、日本の経済成長に伴い上昇を遂げ、平成12年(2000)には、20%を超える事となりました。これをピークに経済力の低下もあり引き下げ交渉も強力に行い、平成18年(2006)の交渉で引き下げを勝ち取ったのです。

このように分担率2桁の貢献を行っているのは米国と日本だけであり、これまでわが国は英国・フランス・中国・ロシアの国連常任理事国4カ国の合計を上回る過大な分担を行っていましたが、平成21年(2009)の見直しによりこの分担率は是正されました。

・常任理事国
国連安全保障理事会常任理事国5カ国は、強大な権限を有しておりP5と言われ、国連の意思決定において「拒否権」を持っておりわが国もこの常任理事国入りを目指してこれまで幾度と無くトライするとともに非常任理事国として10度目の任期を現在(2009〜10)務めています。また、非常任理事国の在任年数は、加盟国中最も長い20年を数えます。

このようにわが国は、国連中心主義を掲げ、多国間外交を展開し国連の各種機関での活動・貢献、さらには応分の資金負担など日本の努力は加盟国間に浸透し評価と信頼へとつながっていますし、非常任理事国10回・20年はその表れでもありましょう。

・国連改革 
一定の評価を得ているわが国の次なる戦略は、国連全加盟国の3分の2以上の賛成を得るための普段の努力だが、国連財政への貢献に加え、危険地帯への人的貢献ではカンボジアPKOを手始めに現在イラクやアフガニスタン、ソマリアへの海賊対策等わが国はその任を着実に果たしています。

また、わが国はドイツ、インド、ブラジルとG4を組織して国連改革を進めてきました。このような普段の努力は加盟各国に浸透していますが難関は、P5の常任理事国でありましょう。

5カ国の立場はそれぞれの事情や地域の立場を反映しており欧州の2国フランスはドイツの立場を尊重しており、日本の参画も必要との立場です。英国も日本、ドイツ、ブラジル、アフリカの参画に賛意を示しています。ロシアの立場ははっきりしていないのですが国連改革には賛意を示しています。3カ国の立場が明らかになる中でカギを握るのが米国と中国です。

・米国との協調
米国は、安保理理事国の数が増えるのを反対しており、日本だけなら賛成の立場ですが、1国だけではなくパッケージで考えていかなければなりません。米国を説得して賛意を得ることに全力を尽くさなければなりません。そうすることが中国を動かす力になり得ると思います。

・リーダーシップ
わが国の常任理事国入りは国連加盟以来の一大事業であり、それは吉田茂首相が昭和26年(1951)に締結した「サンフランシスコ講和条約」(国際舞台への復帰)、岸 信介首相が昭和35年(1960)「日米安保改定」(日本の安保・平和を担保)、佐藤栄作首相の昭和47年(1972)「沖縄返還」(沖縄の日本復帰)に匹敵するものです。

わが国挙げての支援体制を構築することはもちろんですが、やはりわが国トップのリーダーシップが求められていると言え、その言動がこのカギを握っています。就任時に国連総会で演説した際のような裂帛の気迫を持って事に当たって欲しいと思います。

外務省ホームページ
国際連合ホームページ

2008-10年国連通常予算分担率・分担金

平成22年1月

  2008年
  (分担率、
%)
(分担金額、
百万ドル)
1 米国 22.000 453.3
2 日本 16.624 304.1
3 ドイツ 8.577 156.9
4 英国 6.642 121.5
5 フランス 6.301 115.2
6 イタリア 5.079 92.9
7 カナダ 2.977 54.5
8 スペイン 2.968 54.3
9 中国 2.667 48.8
10 メキシコ 2.257 41.3
11 韓国 2.173 39.7
12 オランダ 1.873 34.3
13 豪州 1.787 32.7
14 スイス 1.216 22.2
15 ロシア 1.200 21.9
16 ベルギー 1.102 20.2
17 スウェーデン 1.071 19.6
18 オーストリア 0.887 16.2
19 ブラジル 0.876 16.0
20 ノルウェー 0.782 14.3
  その他(172カ国) 10.941 200.1
  合計 100.000 1880.0

 

  2009年
  (分担率、
%)
(分担金額、
百万ドル)
1 米国 22.000 598.3
2 日本 16.624 405.0
3 ドイツ 8.577 209.0
4 英国 6.642 161.8
5 フランス 6.301 153.5
6 イタリア 5.079 123.7
7 カナダ 2.977 72.5
8 スペイン 2.968 72.3
9 中国 2.667 65.0
10 メキシコ 2.257 55.0
11 韓国 2.173 52.9
12 オランダ 1.873 45.6
13 豪州 1.787 43.5
14 スイス 1.216 29.6
15 ロシア 1.200 29.2
16 ベルギー 1.102 26.8
17 スウェーデン 1.071 26.1
18 オーストリア 0.887 21.6
19 ブラジル 0.876 21.3
20 ノルウェー 0.782 19.1
  その他(172カ国) 10.941 266.8
  合計 100.000 2498.6

 

  2010年
  (分担率、
%)
(分担金額、
百万ドル)
1 米国 22.000 517.1
2 日本 12.530 265.0
3 ドイツ 8.018 169.5
4 英国 6.604 139.6
5 フランス 6.123 129.5
6 イタリア 4.999 105.7
7 カナダ 3.207 67.8
8 中国 3.189 67.4
9 スペイン 3.177 67.2
10 メキシコ 2.356 49.8
11 韓国 2.260 47.8
12 豪州 1.933 40.9
13 オランダ 1.855 39.2
14 ブラジル 1.611 34.1
15 ロシア 1.602 33.9
16 スイス 1.130 23.9
17 ベルギー 1.075 22.7
18 スウェーデン 1.064 22.5
19 ノルウェー 0.871 18.4
20 オーストリア 0.851 18.0
  その他(172カ国) 13.545 286.5
  合計 100.000 2166.5