日刊建設工業新聞 :「地域活性化につなげる」【2013年5月10日】

【日刊建設工業新聞】2013年5月10日に掲載

予定価格1億円以下の公共工事を地元建設業者と契約するように国に努力義務を課す法案の提出に向けた自民党内の手続きが最終段階に入った。まとめ役の衛藤征士郎衆議院議員は日刊建設工業新聞のインタビューに応じ、新法を「地元建設業者の育成と地域経済の活性化につなげる」と強調。工事が行われる市町村に本店がある業者の受注機会増大に特に配慮し、「インフラ老朽化で今後増える維持管理や補修工事などを地元業者が受注できるようにしたい」との考えを示した。

 インタビューで衛藤氏は、党内手続きを10日に完了させた後、公明党と調整した上で議員立法として国会に提出する方針を明らかにした。法案内容には野党も賛同する部分が多いとし、「超党派で出すなどおおらかな姿勢で臨みたい」とも話した。

法案提出後、今国会では衆院での継続審議扱いとし、7月の参院選後に開かれる臨時国会で成立を目指す。来年4月1日の施行を想定している。

法案では、国などが発注する1億円以下の公共工事については、その都道府県に本店がある地元建設業者を契約の相手方とすることを努力義務にする。特に、工事現場の市町村内に本店がある業者の受注機会増大に配慮するように求めている。

衛藤氏は、国の公共事業費がこの10年で半分に減り、地域の建設業者が苦境に立たされている現状を打開するため、「昨年夏ごろから法案づくりの準備を進めてきた」ことを明らかにした。

努力義務の対象工事を「1億円以下」としたことについて衛藤氏は、「入札参加登録業者がAからDまでランク分けされている中で、市町村を越えて受注活動に取り組む業者の存在も考慮し、バランスを踏まえて設定した」と述べた。

地元業者の受注機会を確保する具体策は、発注者となる国の出先事務所などの判断に任せるが、衛藤氏は「入札参加業者を5社なり、10社なり、指名するようになる。(対象工事では)一般競争のようなオープンな形の入札ではなくなるだろう」との見方を示した。

2013年5月10日 日刊建設工業新聞 「地域活性化につなげる」20130510

「国等が行う公共事業について地元建設業者の受注確保等に関する法律案」のポイント

  • 国や国が出資する独立行政法人、特殊法人が行う予定価格1億円以下の公共工事は、当該都道府県の区域内に本店を有する地元建設業者を契約の相手方とするよう努める
  • 当該工事が行われる市町村の区域内に本店を有する地元建設業者の受注機会の増大に特に配慮しなければならない
  • 受注した建設業者は、下請負契約を地元に建設業者と締結し、資機材を地元事業者から購入するように努める
  • 地方公共団体は、国の施策に準じて地元建設業者の受注機会の増大を図るために必要な施策を講じるよう努めなければならない