幼児から海に親しむ体験を

平成25年(2013年) 7月15日(月曜日)

教育新聞

仕掛けていく責任が大人に 歴史や文化をしっかり教育

衛藤征士郎 衆議院議員に聞く

超党派では最大規模の海事振興議員連盟の会長を務める衛藤征士郎衆議院議員に、海への国民の関心を高め、子どもたちの海洋体験を深める教育的な関わりの重要性などについて聞いた

-- 海洋基本法が平成19年に施工されていますが、海に対する国民の意識は低いといわれています。関心を高めるには、どんな視点が大切でしょうか。

海から日本を見る、もっと踏み込めば、海の中から日本を見つめ直す視点が重要です。自然エネルギーや海洋資源からしても、これは大切です。
国民の海への意識を高めるには、視野を広げる必要があります。海に親しむ様々な催し物が各地で開かれていますが、どちらかというと垂直的で、もっと水平面の広がりをもたせる必要があります。海洋少年団の団員はピーク時に3万人いましたが、今は3千人で、水平面の広がりが弱まっているのを如実に示しています。
重要なのは、幼児から海に親しみをもたせる体験です。船に乗って美しく広大な海を見せ、「海は広いな、大きいな」と心から実感できる体験です。早いうちに体感させることです。
そのためには、幼保の全国組織と海に関わる社会教育団体などが連携し、幼保の年間計画の中に海の体験をしっかりと位置づけ、仕掛けていく必要があります。進水式に子どもたちを招待するのもいいでしょう。教育的に明確な意図と目標をもって、こうした取り組みをしていくことが大切です。それにはまず、そういった場に地方議員や教育委員が直接出向くことです。それから子どもたちを連れていくようにするなど、海に関わる様々な体験をさせる手立ては、やろうと思えばたくさんあります。
大人たち、親たちには、そういう導きの労を執っていく責任があるのです。

-- 東日本大震災で大きな津波被害があった後だからこそ、海への正しい理解を深め、海を畏怖しつつ、その恵みに感謝して生きていく姿勢がより求められているのではないかと思われるのですが、いかがでしょうか。

そのとおりだと思います。四方を海に囲まれた島国日本の立ち位置を、しっかりと意識しなければなりません。海の文化には非常に奥深いものがありますが、ややもすると山の文化に押されてしまうところがあります。海と山の文化が相乗効果を生む国づくりをしていく必要があります。

-- 学校教育の中で海への意識を高めるには、どんな手立てが重要だと考えられるでしょうか。

学校で、海の文化や海との関わり合いを、もっと教えるべきです。船員を育てる訓練船はわが国に5隻ありますが、日本丸や海王丸のような船が教育用に1隻あるといいと思っています。帆船に子どもたちを乗せれば喜びますし、夢が膨らみます。学校教育の中でどう取り組めばよいか、教材を含めて、もっともっと真剣に考えるべきです。

-- 小学校からのキャリア教育の中で、子どもたちが将来の夢や職業を思い描くときに、海に関わる仕事の魅力を伝えるには、何が有効でしょうか。

質の高い、美しい映像教材は有効でしょう。海に関わる歴史、経済、社会、文化、宗教など、様々な観点で取り上げるとよいでしょう。自然エネルギーの問題で、理科や社会科で海に視線を向ける、国語や図工・美術などでも海に関心を向けるのは可能です。海の日にちなんだ海フェスタが各地で行われています。啓発資料もいろいろあります。それらをもっと活用していけばよいと思います。

-- 今後、海事振興議員連盟で実現していきたいことは、なんでしょうか。

超党派の国会議員277人でつくる海事振興議員連盟は、今ある議員連盟の中で一番規模が大きいです。海洋基本法に盛り込まれた内容が画餅にならないよう、様々な施策を牽引し、後押ししていきます。仲間の都道府県議会議員や、市町村議会議員と連携し、海に関わる教育活動を、先頭に立って広げていきたいと考えています。