太陽電池や余剰電力の全量買い上げにより電気事業の多様化へ(4/26)

 今回の震災を機に発電電力に対する国民の関心が高まりました。

 1950年代は我が国の電力需要の大半を水力発電がまかなっていましたが、1960年代には戦後の経済復興に伴う電力需要の拡大により、大容量・高効率の火力発電所を中心とした電源開発が進められ火力発電による発電電力量が水力発電による発電電力量を上回り、総発電設備に占める火力発電設備の比率が年々増加。その後の第一次石油危機を境に、原子力発電、LNG火力発電等の石油代替電源の開発が積極的に進められ、電源の多様化が図られてきました。
 この結果、発電電力量で見ると、1973年には71.4%であった石油火力発電の割合は、2008年度には、13,0%まで低下し、石炭が26,8%、天然ガス26,3%、原子力が24,0%、水力7,1%となっています。
 我が国としては、今後とも、一つのエネルギー源に依存することなく、供給途絶リスクの小さいエネルギーを中心に、エネルギー源の多様化を図っていた最中に東日本大震災に直面したものであり「自然エネルギー」を含む更なる多様化に加えて「薄膜シリコン太陽電池」や「有機薄膜太陽電池」の実用化が急がれています。さらには、電力の「余剰分買取」から「全量買取」へと舵を切ることが必要です。
 「薄膜シリコン太陽電池」は、シャープが2008年から実用化に踏み切り改良が行われ壁や窓や車の屋根に取り付けられていますし、更に「有機薄膜太陽電池」は、2012年夏からの実用化に向け三菱化学が実験を繰り返されており、印刷されるパネルは、1ナノメートル(10億分の1)の画面に現在2時間の充電をすれば車は10Km走れるそうであり改良が続けられています。
 かっては、「太陽光パネル」で首位を走った我が国ですが、05年から下降を辿り中国に首位の座を明け渡してしまいました。中国・無錫の「サンテックパワー」は、25年保証を謳い(日本では、10年保証)、日本市場に参入しています。日本では、住宅シェアが80%企業向けは20%ですが、欧州では住宅、商業用、工業用がそれぞれ20?30%とバランスよくシェアされていますし、10年で初期投資費用が回収できる仕組みを作り上げています。 
 我が国では、大震災発災の日に「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案」が閣議決定され、国会に付託されました。この法案では、我が国ではこれまで「余剰電力買取制度」であったものが、「全量電力買取制度」に舵を切ることとなります。ドイツでは、自然エネルギーを全量買い取ることとしており20?25年高く買取ることにしています。
  米国もオバマ政権下で「グリーンニューディール」を謳い、環境ビジネスに力を入れています。米国では、07年送電網が老朽化し停電が発生しこれらも遠因になっています。
 我が国では、発電・送電・販売が一体的に行われていますが、この部分も市場の自由化や電力市場の見直しに向けた今後の課題です。市場が開かれれば新しいグループが参入し市場の活性化をもたらします。