7月18日は、「海の日」です。海の恩恵に感謝!

 海の日は、海事関係者の悲願として平成7年(1995)に制定され、平成8年(1996)から施行された国
民の祝日の一つです。

 平成15年の祝日法改正(ハッピーマンデー制度)により、7月の第3月曜日となりました。
 「海の日」は、海の恩恵に感謝すると共に海洋国家日本の繁栄を願う日です。世界の国々で「海の日」を
国民の祝日とするのはわが国が唯一であり、それだけ海との関係を重要視する表れの一つでもあります。  
 日本海事新聞よりこの日の紙面を飾る取材を受けましたので編集・掲載します。
  
 

特別インタビュー

海事振興連盟 衛藤征士郎会長

 

激しい船体などの老朽化 重要文化財の「明治丸」 速やかに修復と保存を

 

 

 1876(明治9)年の東北・北海道御巡幸の帰路、青森から函館経由で横浜まで明治天皇がご乗船された「明治丸」。その後、旧商船学校(現・東京海洋大)の係留練習船として利用され、78(昭和53)年には国の重要文化財に指定された。2009(平成21)年から修繕工事のため一般公開を休止しているが、日本の近代化に果たした同船の功績は大きく、その保存を求める声は少なくない。祝日「海の日」を前に、同船保存に向けて中心的な役割を果たす団体の一つ、海事振興連盟の衛藤征士郎会長に、修復保存の意義や同船を通じて国民に何を伝えたいかなどを聞いた。(聞き手 日本海事新聞社専務取締役・遠藤修身)

 

 保存委を立ち上げ

 

 ■「明治丸」を修復保存することの意義から、まず話して欲しい。

 「明治天皇陛下が行幸の際にご乗船あそばされたことでも分かるように、この『明治丸』は日本の近代化に大きく貢献した船であり、時代の曙、当時を象徴する存在であるといってもよい。同船の顕彰そしてこれを保存していくことは、私たちに課された責務であり、義務でもある。先日、陸上に保存されている姿を見たが、残念ながら船体などの老朽化が激しい。速やかに修理修復し、適切に保存管理を行わなければならない」

 「海事振興連盟では、これまでも『明治丸』の顕彰と保存に積極的に取り組んできた。加えて先般行われた当連盟の臨時総会では、『明治丸顕彰・保存委員会』(委員長・今村雅弘衆議院議員)の立ち上げを決議し、各党から委員長を補佐する副委員長の参加をお願いして同委員会の活動はスタートした。ただ、保存には相当の経費がかかるため、先日も委員長と『とにかく寄付に協力してもらうよう、まずは動かなければいけない』と話したばかりだ」

 

 海に戻したい…

 

 ■「明治丸」を通じて国民に何を訴えかけたいのか。

 「やはり、『明治丸』が日本の近代化に果たしてきた功績を、広く国民に知ってもらいたい。そして、『明治丸』を通して海事思想や海洋国家日本について、あらためて考えていただきたい。その意味では、『明治丸』に海洋国家日本の国づくりのさきがけの役割を担ってもらうことになるわけで、われわれも目的達成に向けて汗を流す」

 「当連盟としては、海運・造船・舶用など海事関係の企業を中心に各方面の方々にご寄付のご協力を仰ぎたい。もちろん、保存委員会のトップだけで各企業に呼びかるのは限界があるので、国会議員が出向いてお願いする。きちんとした基金ができた際には、可能ならば『明治丸』を海に戻したい。もちろん外洋航海をしなくても、係留でもいいから海に戻すことができればベストである」。

 「これは私案の一つだが、海の恩恵に報いるための『感謝税』があってもいいのではないか。国民1人が1日10円を出せば、1年で4,635億円ほどになる。10円が無理なら、1人1日5円で2,300億円となる。そういう発想で、修復のための資金集めにご協力をお願いしたい。先ごろ、世界遺産に小笠原と平泉が指定されたが、『明治丸』は日本にとってかけがえのない歴史的な文化遺産だ。後世にその偉大な功績を伝えるためにも、何とか修復できるよう微力ながら頑張りたい」。