今度こそ病院船を実現します

衛藤征士郎病院船建造推進議員連盟会長が、その思いを語りました。

―東日本大震災以降、病院船の建造を推進している超党派の「病院船建造推進議員連盟」の会長に就任した。実現性などを聞いた。(聞き手・弓庭博行編集長)―
衛藤氏は海事発展に尽力する政治家の一人。海事振興議員連盟の会長(2009年~)であり、海事立国推進議員連盟の会長でもある。病院船建造推進議員連盟の会長には2011年の5月に就任した。

平成7年の阪神淡路大震災が切っ掛け

―病院船が必要だと思ったいきさつは?

衛藤:1995(H7)年1月に起きた阪神淡路大震災の時からです。あの時、私は衆議院予算委員会の理事をしていましたので震災2日目にヘリコプターをチャーターして現地入りしました。海側にライフラインが集中していた阪神地区は陸路が寸断されて被災者が孤立していた。その時、皆さんの意見を聞いて海上からのアクセスが重要なことを痛感しました。そこで私が座長になって自民党の中に病院船建造のプロジェクトチームを作った。研究会や勉強会を積み上げて、かなりいい線まで行ったんです。しかし、国の財政事情が厳しいという理由で実現しなかった。それから16年目に東日本震災が起こった。以前にも増して病院船が必要だった。大津波で被災地の病院が壊滅的な打撃を受けたからです。そこで、「今度こそ」の思いで病院船建造推進議員連盟を発足させました。超党派の議連にしたのは、ぜひ実現したいからです。極論すると政府が駄目だと言っても病院船特別措置法のようなものを作って議員立法ででも実現しよう、との意気込みからです。

―どんな船になりそうですか?

衛藤:国内外での稼動を想定しなければならないので外航船です。救命のため船足は速くないといけない。ヘリコプターを2機、ホーバークラフトを2機ほど積む必要もある。海水を真水に変える装置や放射能除染装置も要る。ベッド数はアメリカの病院船(1,000床)を参考にすると500床以上。そのほか病院船に医薬品や食料品を供給する備蓄倉庫が太平洋側と日本海側に3ヶ所ずつ、瀬戸内に2ヶ所ほど必要です。

―運航は?

衛藤:ドック入りがあるので船は2隻必要です。内閣府が保有し、防衛省が運航すれば良い。海保庁や国土交通省、厚生労働省、外務省、総務省など、色々な役所が関係して来るので窓口を一本化し管理していく必要があります。被災地では沖合に停泊し、防衛省・国交省・海保庁・総務省の無線を束ねて現地の対策司令部として機能します。

―乗組員は?

衛藤:医師や看護師が乗船します。内科・外科・眼科・歯科など相当な数になります。病院船は、さながら「海に浮かぶ総合病院」です。平常時は国際人道支援や日本の離島や過疎の医療に貢献する。

―船価は?

衛藤:2隻で1,000億円。イージス艦1隻分(1,250億円)ぐらいです。

―維持費は?

衛藤:相当かかるでしょうね。しかし、その値打ちはあると思います。病院船があれば、多くの人命を救えますし、日本の国際貢献への評価も高まるでしょう。

―実現性は?

衛藤:あります。総理大臣と官房長官、副官房長官の三人が腹を括れば決まります。幸い、前政権の枝野官房長官と仙谷副官房長官は腹を括ってくれました。

―今後のスケジュールは?

衛藤:平成23年度の第3次補正予算で調査費を要求します。7月に内閣府の防災担当から要望済です。3,000万~5,000万円ぐらいになるでしょう。次いで平成24年度に設計、25年度に起工、27年度に竣工の段取りです。

―ところで海事振興連盟と海事立国推進議連の会長も兼務されていますね。それぞれの目的は?

衛藤:海事振興連盟は海事産業の発展が目的です。現状の倍の24兆円ぐらいにするのを目標にしています。海事立国推進議連の主な仕事は税制支援です。例えば外航ではトン数標準税制を世界の先進国なみにする必要があります。まだ、10分の1程度ですからね。一方、内航では船員の所得税の減税を先進国並みにしなければいけません。

―民主党政権になって以来、高速道路の無料化などで海運に逆風が吹いています。

衛藤:いきなり無料化にしたら、おかしくなるでしょうね。世界は環境問題や財政問題から高速道路は有料化に向かっており、日本は逆行しています。陸・海・空のバランスを取りながら国土形成していくべきだと思いますね。

―日本の排他的経済水域は世界第6位です。海洋には未開拓分野がいっぱいあると思うんですが。

衛藤:日本人は海洋を重視する必要がある。国境の離島はもっと大事にしなければいけません。島民の苦労は人一倍ですから。私が言い出して自民党の中に離島振興特別委員会をつくりました。海底資源の開発も大切です。政府は早ければ平成25年1月くらいから和歌山沖の水深8,000mからメタンハイグレードを試掘することになっています。

大阪~別府で船好きになった

70歳。若く見える。若さの秘訣は「良い水を飲む」「良い酒を呑む」「約束は守る」こと。

趣味は山歩き・ゴルフ・酒。いずれも公職をしている。日本山岳協会最高顧問、ゴルフ議連会長、米消費純米酒拡大議員連盟会長。

出身は大分県玖珠町。山国だが、兄が日本郵船の機関員だったことと若い頃、帰郷の際に、しばしば大阪~別府間で船に乗ったことから海と船が好きになった。

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